ニーチェ 2
超人
昨日の続きです。ニーチェによって作られた「超人」の考え方を都合の良いように解釈したのが、ナチスの反ユダヤ政策であり、スターリンの大粛清だったのですが、実際のところニーチェはどのようなことを考えていたのでしょうか?
ニーチェが述べた超人とは、これまでの凡庸的な社会にあるキリスト教の道徳や価値観を捨て、新しい価値観などを打ち立てる人のことを言います。もっと人間を高い次元のものにする範例となるような人物のことを超人と呼んだわけです。そして、人類の目標というのは、この超人を作り出すこと、そこにあると述べたのです。ナチスなどは、この考えを歪曲して「ゲルマン民族こそが超人である」と考えてユダヤを虐殺したのですね。
しかし、ニーチェは反ユダヤ主義を猛烈に批判します。超人的な人間を生み出すのに社会革命を用いるべきでないと述べたのです。ニーチェが問題視していたのは、当時のキリスト教的価値観であり、これを変えようと叫んでいました。
それでも、私たちからするとやはり 力を持つもの=よい 力を持たないもの=わるい と考えるのには不安感を覚えます。資本主義社会では、常に力を持つものが搾取する側であり、力を持たないものが搾取される泡であるというような構図で世界が動いているからです。これを批判したのがマルクスですが、それは置いときます(笑)
私も「ニーチェという奴は、弱肉強食を是とするけしからん奴だ」と思っていましたが、実はそうではなかったことに気づかされました。
ニーチェの理想の社会というのは、力を持たないもの(=弱者)が力を持ち物(=強者)に対して、妬みといった負の感情をもち、反対に強者が弱者にたいして驕りなどといった、これもまた負の感情ですが、このような感情を抱くのではありません。
むしろ、弱者は強者をみて憧れ、その人をモデルに生きていく。強者は弱者を励ましながらより高みを目指していく、このような価値観を植え付けたかったと著者は述べます。
確かに、それは新しい価値観だと私も思いましたが、少し理想論的なところもあるかなと思いました(笑)いづれにせよ、このような価値観が蔓延する社会になるとよりよい社会になることは間違いないと思います。
ここまでで大体、本の二章分くらいだったのですが次の「永遠回帰」と「力の意思」が説明できるほど理解できなかったので、また別の本からアプローチしてみたいと思います。
ニーチェ
「神は死んだ」でおなじみのニーチェ先生ですが、実際にどんな思想を持って、どんなことを伝えたかったのかよく知らなかったので、ニーチェについて書いていきたいと思います。
まだニーチェの著作は読めてないのですが、(素人には高すぎる階段)入門書がないかなということでこの本を図書館で借りてきました。
たまにわからない箇所がありますが、おおむね理解した気になりながら読めています。
彼はショウペンハウアーとワーグナーの影響を大いに受けています。ワーグナーってあの音楽家の?そうです、あの音楽家です。どう影響を受けたのかを書いてあった気もしましたが、ワーグナーからどう影響を受けたのかはよくわかってません(笑)
ニーチェはショウペンハウアーの考えをもとに、人間の欲望といったものが生じることで人間は互いに苦しむことになるが、これがなかったら!と考えるべきでないといいます。むしろ、この苦しさがあることで人間の生きる理由になるというのです。
欲望がなかったら!と考えて欲を捨てるのは仏教、欲を我慢して他者の利益を優先して考えるのがキリスト教の禁欲主義につながります。ニーチェはこれらを批判したのです。
善と悪
ニーチェは、それまでの道徳的な善と悪にも目を向けます。
それまでの「よい」とは、力を持ったものといったものが主流でした。「自分は力を持っている」という自己肯定的な感情が「よい」であり、力を持たないことが「わるい」ことだったのです。
しかし、当時のヨーロッパでは、キリスト教の思想をもとに利他的な行動が善、利己的な行動は悪とみなされていました。また、弱いもの、迫害されるものが善とし、その反対を悪と位置付けました。
この価値観の逆転はキリストが処刑されたときにひっくり返ってしまったのです。こうした、考えをニーチェは批判しました。
キリスト教では、力の階級がないほうが好ましく、「みんな平等だよ」がモットーでしたが、ニーチェはこの考えが蔓延することでしょうもない人間ばかりが生まれる社会になってしまうと批判したのです。
そこで出てくるのが「超人」ですが、そのことについては明日書きたいと思います。まだ、本も読み終わってないですし(笑)
プレゼン
毎週、土曜日か日曜日のどちらかに高校の友達とビデオ通話を使いながら、各自が読んだ本や調べたものなどテーマは自由にプレゼンをするというプレゼンサークル的なものを作ってから、もう第5回を迎えました。
今週は僕の番だったので、ゲームオブスローンズを見たことのない友達にひたすら魅力を伝えるというプレゼンを行いました(笑)
もう一人の友人Aは、モチベーション大百科という本のプレゼンをしていたのですがなかなか興味深かったです。
また、プレゼンが終わった後の雑談が毎回長くなるのですが読書好きの友人Hから面白そうな本をたくさん紹介してもらえたのでまた読めたら紹介していきたいと思います。
来週のプレゼンが待ち遠しいですね(笑)
史上最強の哲学入門
先日、美意識についての記事を書いたのですが、それに影響されて哲学の興味がわいたので人気な入門書ということで読んでみました。
同じシリーズに東洋編もあるので読み終わったらまた書いていこうと思います。
この本は、哲学を大まかに「真理」「国家」「存在」「神」というようなジャンル別に分けて、各時代の著名な哲学者の思想を単純化し面白いエピソードどともに紹介していくという構成になっています。ですので、私のような哲学の全くな初学者からすると、お気に入りの思想を持った哲学者を見つけることができるので良かったです。
入門編をサラッと読んだだけなので、哲学者の思想を詳細に自分の解釈なども踏まえて、まだ書くことはできないですがニーチェの思想に興味がわいたので彼の入門書や著作を読んでからまた記事にしていきたいと思います。
特に興味を引いたのは、宗教などといった人間を支えてきた倫理観のようなものが消えていく中で私たちはそれを踏まえて、自分の正義や倫理観といった軸を持つ必要があるという点です。正確にこのように述べたかどうかは、まだ彼の著作を読んでいないのでわかりませんが私が求めていた哲学に一番近い答えを見つけてくれるのではないかと思いました。
図書館でニーチェ入門という本を借りたので、それが読めたらそれも書いていきたいと思います。
ファンタジー談義 3
昨日に引き続き、理想のファンタジーを語りたいと思います。
④ 銃ではなく、弓
世界観の年代の目安が中世なので、5~14世紀ほど。つまり15世紀の軍事革命よりも昔の設定なので、銃よりも弓のほうが望ましいと思います。これは、たいていのファンタジー作品が満たしている条件なので特にいうことはありません(笑)
⑤ 地図がある
本の見開きを開くと、世界地図がのっていて○○都市や○○川、山脈などが載っていると登場人物がそこに行かなくても自分で空想して楽しめることができるのでいいですよね。作品中も「○○川を上って行って、○○山脈を東に行くと○○につく」とか会話中で出てくると、作者も地理的な世界観までしっかり作りこんでいるのだと感心させられます。たまに読んでいると分からなくなりますが(笑)
⑥ できるだけ西洋風が望ましい
ハイファンタジーにおいてやはり中世ヨーロッパをモデルにした作品が王道でしょう。というか、和風ファンタジーは名前が覚えられない...横文字のほうが得意なのですから当然といえば当然なんですがね(笑)だから高校の時も当然、世界史選択でしたね。
ここからは、思いついたものを述べていきたいと思います。
・言語がある
これはかなりハードで、指輪物語と氷と炎の歌でしかまだみたことがありませんが、架空の言語を文法から構築すると驚くほど精密な世界観の構築を行っていると感心せざるを得ないですね。まあ、都市ごとに言語が異なるのは当たり前なので「お前、共通語が話せるのか?」みたいな会話があるだけでも結構雰囲気が変わってくると思います。
・どっちかというとダークファンタジー
中二病から抜け出せてない感が否めないですが、ゲームオブスローンズや漫画ベルセルクといったファンタジー作品のほうが惹かれます。ダークファンタジーの定義を聞かれるとあまりわからないですが、ネットで見ても鋼の錬金術師やハンターハンターはダークファンタジーだとかまとめサイトに書かれていても、首をかしげてしまいます。もちろん、王女様や妖精が出てくるようなファンタジーも好きですが、小学生の時に読んんだデモナータに心惹かれた僕はそれからダークよりですね(笑)
・例外の年代
これまで基本的に中世ヨーロッパが望ましと述べてきましたが、一つだけ例外の年代があります。19世紀イギリスですね。まさにヴィクトリア朝の時代、本で言うとバーティミアス、ゲームだとブラッドボーンのような時代です。あの時代のうす気味悪い空気は最高ですね。黒い英国紳士にこうもり傘、石畳とそそられる世界観です。唯一、あの時代だけは例外です(笑)
以上で、三日間渡る僕の理想のファンタジー談義でした。
ファンタジー談義 2
続く第二回は、先ほど挙げた必要条件について詳しく見ていきたいと思います。
① 宗教・神話がある
これは、ハイファンタジーにおいては絶対必要だろ!っていうものですね。中世、一般的には5世紀から15世紀がモデルであることが多いので宗教の必要性は不可欠です。例えば、ゲームオブスローンズだと七神正教、古の神々、光の王、溺神、数多の顔を持つ神。。。といったようにウェスタロスだけでもたくさんあります。数多の神はブレーヴォスですが。また、エラゴンにおいても邪教のような存在も見受けられます。日本人は宗教になじみがないですが、中世ヨーロッパをモデルにしたハイファンタジーでは、存在していて当然といった雰囲気です。
また神話については、指輪物語の作者トールキンが詳細に描写しています。もともとオックスフォードで神話学、文献学をおさめた彼にとっては、そこらの小説よりはずっと設定や世界観の厚みがあります。
② 歴史のストーリーがある
これは神話の部分と少しかぶるかもしれませんが、本来は物語において私たちが読んでいるのは数千年の歴史の中のごく一部です。それまでにあった出来事や神話などを物語中に含ませることで、さらに物語に厚みが出ます。小説ウィッチャーでは、章が変わるごとに架空の本の引用がされます。こうすることで、昔の人々はある対象についてどのように見ていたか、その事件の詳細のヒントになったりします。さらにウィッチャーでは家系図がより重要になってくるので歴史を組み込むことは必須条件です。
またトールキンは、指輪物語の世界を一から構築させました。世界の創造からの物語があり、シルマリルの物語はもちろん。ホビット、指輪物語、そしてその後と物語を現代の私たちにまで続けていきました。
ゲームオブスローンズでは、ロバートが狂王を倒したところから始まり、見始めたときはリアナ?ターガリエン?バリスタン?となりますが、それも歴史の一部を私たちは見ているのにすぎません。
最近のゲームにおいてもそうですが、世界観の説明なしにいきなりその世界に放り込まれることがあります。これをあまり好まない人もいるそうですが、私はこれはこれでありだと思います。また、世界観を理解したら再度プレイや視聴、読むことができますし。
③ 移動手段は馬
これは、ハイファンタジーではお決まりです。車なんてものはありません。たまに魔法で瞬間移動する輩が現れますが、基本は馬が望ましいです。さらに馬に草を食べさせたり、水を飲ませるために水辺を探すといったような描写があると、「おおぉ、ファンタジーをわかってるな」となります。もちろん、エラゴンのようにドラゴンで移動することで行動範囲が一気に広がり、世界を大きく広げることができますが、あれも最初のほうは基本、馬で移動していました。
続きはまた明日にしたいと思います。いいテーマを見つけたので、分割していきます(笑)
ファンタジー談義 1
本がまだ読めてないので、僕の一番大好きなジャンルファンタジーについて語りたいと思います。
まず、ファンタジーは大きく分けるとハイファンタジーとローファンタジーに区別することができます。
ハイファンタジーは異世界そのものの架空の世界で、ローファンタジーは現実が介入しているファンタジーだと思ってもらえればokです。
僕が好きなのは圧倒的にハイファンタジーで、そっちの本ばかり読んでいます。例えば、指輪物語、氷と炎の歌などなど。。。
ですのでハリーポッターにあまりはまれませんでしたね~ 指輪物語派とハリポタ派で結構分かれると思うのですが、僕は前者ですね。
また昨今のラノベに至っては、ラノベ好きからしたら申し訳ないのですが、あれはファンタジーではないですね(笑)中世で魔法使えばファンタジーになるというのが許せないですね。まあ、自分で書いてみろって言われたらそれまでなんですが(笑)
ここでは、僕のファンタジーにおける必要条件を発表したいと思います。あくまでも個人の意見です。
① 宗教・神話がある
② 歴史のストーリーがある
③ 移動手段は馬
④ 銃ではなくて弓
⑤ 地図がある
⑥ できるだけ西洋風が望ましい
今思いついたので、これですね。続きは、明日に引き伸ばすという荒業にしたいと思います。